しもつけ/失われた原稿

またも来ました恒例のシリーズ。ブログ主の仕事やなんやの過程の中で、たたき台として作成し本当にたたかれて無に帰したものや、日の目は見たものの、世界に一切の足跡も残さなかったものなどを集めたもの。それが『シリーズ 失われた原稿』

今回の原稿は、ブログ主(ぢっち)が自由に文章を書いていた頃の、小気味よく、そして果てしなくどうでもいい感じが吉です。

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喪失日:2009年6月22日
場 所:札幌市中島公園近く家賃2万円の自宅にて
テーマ:愛の告白

しもつけ。6月22日の誕生花はしもつけ。
たしかに今日のラジオ深夜便というか、早朝便というか、つまりは朝5時くらいのNHKFMで誰かがそう言っていた。名前は知らないけれど、いつ聞いても素敵な声でそう言っていた。と言ってもめったに聞けないけれど。しもつけ。

花言葉は
「いつか真価がわかる」

花言葉にも色々あるものだと感心してしまう。しもつけ。と言ったって、別に花言葉に詳しいわけではないのだけれど。しもつけ。

しかししもつけ。しもつけという花の由来は、千葉の、じゃなくて栃木方面の、廃藩置県になる前の下野藩(しもつけはん)で最初に発見&命名されたからという説がまずあるらしい。次には、つぼみの上だか下だかに、白い点々みたいなものがほわほわ付いているからという説があるらしい。つまり、その点々が霜を付けているようだってことなんですと。これも素敵な声の人が言っていました。

いよいよしもつけ。しもつけという単語をどしどし書いていると、何か重要な間違いを犯しているのではないかと、不安になってくる。そもそもいったいぜんたい本当にしもつけなんていう名前でよかったのかしらんという気になってくる。足の爪を切りながら聞くともなく聞いていたラジオの記憶が、時間と共にあやふやになり、実際にS・H・I・M・O・T・U・K・Eというキーを押して平仮名のままエンターキーを押すと、いよいよ自信がなくなる。だって、しもつけ。しもつけですよ。まぁいいか。

そろそろ本題に入ろうと思う。ぼくが本当に気になっていたのは、言うまでもなくその花言葉です。「いつか真価がわかる」。すごい。深い。つまりすごく深い。この花は、いったいどういうタイミングでどういった人に贈ればいいのだろうかと考えてしまう。そして、少なくとも、片思いの女の子に告白する時に使うのだけはやめておこうと思うのである。

「ずっと、ずっとあなたのことが好きでした。」
(しもつけをあげる)
「ま、きれいなお花。」
「これは、しもつけという名前の花です。」
「しもつけ。どんな花言葉なのかしら。」
「いつか真価がわかる」
「…」

ね。どこにも行き着かないでしょ。

さて、規定の文字数に近づいてきたようなので、念のためインターネットでしもつけを調べてみた。

 花言葉は
「穏やかな愛・親を思う」

はて?
別のサイトを覗いて見る。

花言葉は
「無益」

わん。

追記:
6月22日の誕生花は「かんぞう」。
しもつけは6月14日の誕生花でした。
皆さま、情報過多の時代です。気をつけましょう。

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2024年7月20日 喪失 完了しました。

鹿児島出身東京経由小樽着。 小樽銭函エリア、春香山の麓『古本屋 DUAL BOOKs』店主。

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