『一番はじめに生まれた人』は誰?

子どもの質問の数、「なんで?どうなってるの?」の数や頻度が半端でないことはすべての人がご存知のとおりです。そしてその 子どもの「なんで?」の多くは、「親側の都合」によってなんとなく流されてしまう、最悪の場合無視されてしまう ことも、みなさま経験があること、あるいは容易に想像できることと思います。

少なくともワタクシはそうです。

「今、それ、いいから。とにかく○○やって」

今、親が、親の理由で求めていることを押しとおして子どもの質問をねじふせることもあります。要するに 心に余裕がないとねじ伏せがち です。でも、そんな自分への反省から、できるときには(つまり心に余裕があるときには)できるだけ精一杯考えて、自分なりの答えを伝えるように、少しは意識しています。

そんなわけで、今回は、ある時、知人の子ども、年長の男の子からいただいた「ザ・子ども質問。それ難し過ぎます」という質問に、精一杯答えたときの一例 をご紹介。難し過ぎて即答できなかったので「考えたら連絡する!これは宿題ね!」とはりきって別れて、脂汗かきかきしながら、でも圧倒的にわくわくしながらキーボードを叩いたのを覚えています。そのお陰もあってか、我ながら名回答というか、ほんとにそうかも知れないぞ、と今でも思います。

それでは、子どもの難問に本気で向き合ったら気づきが満載でむしろ親が満足したぜ、という好事例をご覧ください。

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この間は遅い時間にありがとうございました!そして返信おくれてごめんなさ-い。とんでもない質問へのご指名をいただきました…わからないままに(5歳という年齢も意識して)一緒に考えながら回答してみます笑

質問:一番はじめに生まれた人は誰?

(おじさんの回答)

それはたぶん・・・君だ!

君は「お母さん」から産まれる。お母さんは「お母さんのお母さん:君にとっておばあちゃん」から産まれる。それが延々続く。それは間違いない。じゃあ一番最初のおかあさんはどうやって生まれたか?というか、その人だれ?という質問だと思います。

ある日その人(最初のお母さん、すんごいお母さんということで「グレートマザー」と呼ぼう)、グレートマザーだけは、ある日突然現れる?勝手に「何かから」産まれてくる?

もしそうだとしたら、…グレートマザーは、もう「人」とは呼べなそうだね・・・。

そう、「1番はじめに生まれた人=人のはじまり」を考えると「人ではないもの」にたどりつく。不思議だーーー(おじさんも今気づいた笑)

ということで、ちょっと視点を変えてみよう。人をずっとたどっていくと人ではないものにたどり着いたけど、そもそも「人って何?」。人は人以外(人ではないもの)と何が違うんだろうか? 違いはたくさんありすぎる・・・そんなとき、違いではなく「同じところ」を探すとヒントがあったりする。人と木が同じところ・・・人と木と石が同じところ・・・人と木と石と海と空とお菓子と絵本と同じところ・・・ぼくたちが見ている世界のすべての「同じところ」

それは「ある」ということだ。全てのものが、ある、いる。(ちょっと卑怯かな笑)

「同じ」なのはこれだけではないかもしれないけど、とりあえず、「ある」というのは、間違いなく同じだ。人も人以外のもの(人やモノ以外の感情とかも)「そこにある、ここにある、どこかにある」。

で、次の視点に進もう。どうして「ある」んだろう? どうして「ある」と言えるんだろう? 木はどうして「ある」と言えるんだろう?お母さんはどうして「いる」と言えるんだろう?

答えはきっとこうだ。

「君が、ある、と感じているから」ある。逆に「ない」ものは、どうして「ない」と言えるのか。「君が、ない、と感じているから」ないんだ。そう、世界のすべてものは、「あるもないもすべて」君次第だ!

ちょっとふりかえってみよう。

  • 世界で最初に生まれた人・・・それを考えると「人ではなさそうなもの」がでてきた。
  • 人のことを考えて、人ではないものがでてきたわけだ。
  • でも、人も、人ではなそうなものも、結局「ある」というのは同じだ。
  • だから、世界で最初の生まれた人のことを考えるには
  • 「ある」ということについて考えればよさそうだ。
  • 「ある」とは何だ?・・・それは、「自分がある」と決めているもの、思っているものだ。
  • つまり、君があると思っているものは、君が決めている。
  • 世界のある、ない、すべては、君が決めている。

となると・・・

世界で最初に生まれた人・・・

それは「君」だ!

世界はすべて、君がはじめたものだ。

世界はすべて、君がきめて、君がつくるものだ。

どどーん。

(おじさんの回答と解説終わり)

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以上、いかがでしょうか。ほんとかどうかはどうでもいい。あってるかあってないかはどうでもいい。なにより、子どもの質問に本気で向き合う、そんな大人の姿が大事なのです。それは子どもばかりか親の成長にもつながっちゃうのです!!

・・・みたいに締めくくろうかと思っていましたが、この記事を書きながら思い出しましたね。ワタクシ、もう一つの宿題を未提出のままでした・・・。未提出・未回答どころか、質問内容すら忘れてしまいました・・・(どうしてお金が必要なの?だった気がするけども)

こうしてまた、子どもの『なんで?』が、時間の波に、刹那的な大人の満足感の影に、流されてしまったのです・・・

そんなわけで、軽やかな結びに変更。

みなさん!親御さん!!全部は無理だと認めたうえで、たまには本気で回答しよぉ。自分が楽しかったりするよ!!それではまた、素敵な日々の素敵な時間の隙間でお会いしましょう。Chao!!

鹿児島出身東京経由小樽着。 小樽銭函エリア、春香山の麓『古本屋 DUAL BOOKs』店主。

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